人前で話す時 あがりを防ぐ伝え方
人前で話す時にあがらない人はまずいないだろう。
話を生業としているプロだって、多少は緊張し、あがるものだ。
しかし、あがりが限度を超すと、悲劇や喜劇が巻き起こる。
例えば結婚式場。
新郎の父親による謝辞。
彼の緊張が極度に高まった時、それは起った。
「本日は、至らない、至らない、皆様にご出席いただき」
「至らなくてごめんなさい」と出席者から声が上がった。
また別の式にて、花嫁の父。
「本当にふしだらな娘ではございますが」
新郎側の親族が騒然となった。
あなたにはこんな出来事に見舞われてほしくはないが、
これは誰にでも起こりうる悲劇なのだ。
「あなたの話など誰も聞いてはいない」なんて気休めはよせ
あがりを防ぐアドバイスをしている本やブログを見ると、
こんなことがよく書いてある。
「あなたの話など誰も聞いてはいないから大丈夫」
バカなことを言うな。
大勢の前に立って一人で話しているのだぞ。
みんな聞いているし、注目しているに決まっているじゃないか。
こんな的外れなアドバイスしかできない自称話し方のプロが多いから、
コミュニケーションの業界は世間から評価されないのだ。
あがりを防ぐ簡単なこの秘訣
あがる人の特徴は、声が小さく、そして聴衆から目をそらすこと。
そして早口で間を空けずに話し続けること。
これでは聴衆の気持ちは話し手から離れてしまう。
反応もなくなり、よそ見をし、話し手と聞き手の一体感がなくなる。
すると話し手はますますあがるという悪循環だ。
あがりを小さくする大事な秘訣。
それは呼吸を正すこと。
でも話す前に深呼吸などしても、うまくはいかない。
深呼吸しているつもりでも、緊張すると呼吸が浅くなるからだ。
第一声で息を吐き切る挨拶を
そこで、第一声で
「みなさん、こんにちはーーーー」
と大きめの声と高めのトーンで
息を吐き切ってみよう。
「こんにちはっ」と切ってはいけない。
息を吐き切るまで、語尾を伸ばそう。
視線は聴衆の一人一人に向けるぐらいのつもりで強く見てみよう。
そしてしばらく聴衆の反応を待って、間を空けてみる。
息を吐き切ると、今度は息を大きく吸わないと死んでしまう。
これがいい深呼吸になる。
ついでにいい間が生まれる。
ドキドキが少し収まるのを感じるはずだ。
聴衆の反応を呼び込む
聴衆は、あなたから「こんにちはーーー」と言われて、
そして間を置いてもらえると、
うなづいたり、「こんにちは」と返事をくれたりする。
自分の言葉に聞き手が反応してくれる。
これがどれほどの勇気と安心感をくれるか、実感してみよう。
聴衆の反応があがりを解消してくれる
聴衆が自分の話に反応してくれる。
この様子を見れば、あがりは急速に収まる。
だから聴衆が反応しやすい話し方を身に付けることだ。
早口にならず、短い言葉で話を切り、間を空ける。
すると聴衆は反応してくれる。
しばらくはいい反応をしてくれる人に向かって話をしよう。
だんだん調子が出て来ることを実感できる。
たったこれだけを実行するだけで、
「話、うまいですね」と言われるだろう。