下手でもいいから自分の話をするのが大事。人との距離が近くなる
教室のレッスンを受けている方から、こんな言葉を頂きました。
「自分は今まで自分の話を聞いてもらおうとはして来なかった・・・。
話すことに自信がなかったからだと思います」
これはコミュニケーションを教えることを仕事とする私も
うっかり見逃して来た視点でした。
取るに足らない話なのに親しみが生まれる
実は自分を上手に語ることは、他人とつながり親しみを生むもととなっているのです。
とくに気持ちが伝わって来る話は、相手との距離を一瞬で縮めます。
私「昨日は京都の歯科医院に研修で朝早く家を出ましてね」
相手「ええ」
私「出かけにうちの家内が、今日はずいぶん早いねって言うんです」
相手「はい」
私「そうや、今日は京都の歯医者さんで研修やと言うとね」
相手「ええ」
私「歯医者に行くの! 保険証持った?って聞くんですよ」
こんな取るに足らない何でもない話ですが、短い言葉でキャッチボールを行い、相手もしっかり相づちを返してくれると、お互いが同じイメージ、同じ気持ちを持つようになります。
さらに感情が湧くストーリーだと、お互いの脳にドーパミンという快楽物質が出て、幸せな気持ちになります。
これが雑談から親しみが生まれる理由なのです。
自分を語らないと他人とのつながりが生まれない
しかし、自分を語ることを恐がる人は、自分の話など誰も聞きたくはないし、面白くもないだろうという思い込みを持っています。
日頃、様々な出来事に遭い、色々な物事を見聞きしても、それは外に向かって表現されることはなく、自分の中を素通りして忘れ去られて行くだけ。
すると、他人との結びつきがとれなくなってしまいます。
なんとももの悲しいお話ですが、これがその人の人間関係が寂しくなってしまう理由なのです。
しかし教室でお話をしてもらいますと、みなさんいいお話を持っています。
人に聞かせる話がない人などいないのです。
冒頭のお話をして下さった方も、こちらから話を引き出すと、とても楽しいお話をして下さいました。
会話はお金がかからない娯楽。お金では買えないエンターテイメント。
だから会話を楽しめたら、人生がとても楽しくなるし、人ともすぐに仲良くなれます。
相手が乗って来るとっておきの話し方
こういう方は、次のようなことにチャレンジしてみて下さい。
日々、あなたが遭遇する出来事。
それを短い言葉で他人に伝えてみます。
近所にあったラーメン屋が今日見るとなくなっていた。
携帯電話のバッテリーがもたなくなって来た。
うちの近所にもタピオカの専門店ができた。
みんなこんなありふれたことを話題にして、会話を楽しんでいるのです。
価値がないとか、誰も聞きたくはないだろうとは考えずに、チャレンジしてみて下さい。
ここで重要なアドバイス。
近所にあったラーメン屋が今日見るとなくなっていた・・・ので私は「びっくりした」のか「悲しかった」のか。
はっきり自分の気持ちを添えてみて下さい。
すると相手はその先を聞きたくなります。
どうしてびっくりしたのか。
どうして悲しくなったのか。
話に気持ちが加わると、それはもう物語りでありドラマです。
もし相手がその先を待っている顔をしていたら、「実はね・・・」と物語を先へと進めます。
相手の人はきっとあなたの話を楽しんでくれるでしょう。
そして何よりあなた自身が楽しい気分になれるはずです。
それは気持ちを表現したから。
あなたが人生の目的をひとつ達成したから、心が温かくなったのです。
まずはあなたのことをわかってくれそうな人を見つけて、最近の出来事を短くていいのでお話してみて下さい。
人とのつながりを感じると心が温かくなり、人間関係が寂しく感じることが少なくなって行くでしょう。
コミュニケーション、ここを変えたら寂しい人間関係が一日で温かくなる:まとめ
- 自分を伝えないと人は他人とつながりを持てない
- 伝える内容は取るに足らないことでかまわない
- 自分の話のオチはいつも「びっくりした」「困った」など気持ちで締めくくる
- 気持ちを表現すると他人とのつながりが強くなる
- 何でもない話を他人にする勇気を持つ