なぜあなたの話は最後まで聞いてもらえないのか ①
ある方からこんな相談を受けました。
自分はもともと口下手で、これではいけないと何とか話題を見つけて自分から話をしようと努力して来た。
しかし結末まで聞いてもらえることが少なく、必ず途中で余計な質問が入ったり、自分の話が終わってないのに、別の人が話しはじめたりする。これではもう話などする気がなくなってしまう。
どうしてそんなことになるのでしょうか。
私はこの原因を、彼の話し方にあると感じました。
今の伝え方では、聞き手が集中力を切らさず最後まで聞くことができないのだろうと推測したのです
自分の話にいい見出しをつける工夫を
彼の話はじっくり聞くと、なかなか面白いものでした。
以下は、私がアドバイスした後の彼の話です。
漫才師のかまいたちというコンビが夢に出て来たのです。
一人は山内さんってわかるのですが、相方の人の名前が出て来ない。
一人には私が『山内さん』って呼びかけるのに、もう一人にはこちらの方とか言うので、
その人が、「僕の名前知らないんでしょ」なんて言うのです。私はなぜか、知ってますって言い張ります。
それでもウソつけと言われるので、
「かまいたちの山内さんじゃない方」なんて言ってました。そしたら彼が、「ヒントを出しましょうか」って言ってくれて、
ヒントは「チーターです」って言うんです。「チーター?」って思ったところで夢が終わったのですが、朝起きだして一番にスマホで「かまいたち」って検索したんです。
そしたらその人が「濱家さん」だとわかったのですが、
チーターは全く関係ありませんでした。夢なんてしょせんそんなものですよね。
こんなに面白いのに、なぜ最後まで聞いてもらえないのか。
私はそこに2つの理由を感じたのです。
今回はその中の1つをお伝えしましょう
話にいい見出しをつけると、聞き手はついて来る
茫洋とした話だと、聞き手は着地点をイメージすることができません。
この話はどこから始まって、どこで終わるのか。
それが見えず、しかも話に興味を感じられないと聞き手は我慢ができなくなるのです。
そこで大事なのが、話に見出しをつけること
キャッチ―であれば言うことなしです。
実は彼、この話を
「夢ってあんまり覚えていないことが多いんですけど、この間は変な夢を見て・・・」というふうに始めてしまい、かまいたちの名前を初めて口にするのがずいぶん後の方になっていたのです。
聞き手の集中力は最初の10秒ぐらいで切れてしまいます。
その後で話が面白くなってももう聞き手の気持ちは離れた後で、興味を持って聞いてはもらえないのです。
私は彼に「夢に漫才のかまいたちが出て来たんです」から話しはじめてみて下さい、とアドバイスしました。
すると聞き手の反応が変わるよと伝えました。
「夢に漫才のかまいたちが出て来た」がこの話の見出しだったわけです。
これならかまいたちを知っている人ならば、その先を聞きたくなりますよね。
話がうまい人は、話しはじめる前に上手な見出しをつけてくれます。
秘訣は3つ。
① 聞き手の興味をそそるもの
② 全体像がイメージできる
③ しかしオチはわからない
これで話の全体像が聞き手に伝わるので、聞き手はある程度ストーリーを予測しながら聞くことができます。
もちろんオチがわかってしまえば興ざめですから、そこは注意して下さい。
これで聞き手は話し手について来てくれるようになります。
実際に彼は、見出しから話しはじめる勇気を持ってから、
相手が身を乗り出して来るのがわかったと喜んでいました。
これに2つ目のコツ、相手に相づちを打たせながら話す力をマスターすれば、もう聞き手はあなたの話を食い入るように聞くでしょう。
その詳細は、「なぜあなたの話はなぜ最後まで聞いてもらえないのか②」で。
なぜあなたの話はなぜ最後まで聞いてもらえないのか ①:まとめ
- まとまった話をする時は、まず見出しからはじめると聞き手がついて来る
- 見出しの秘訣① 聞き手の興味をそそるもの
- 見出しの秘訣② 全体像がイメージできるものを
- 見出しの秘訣③ しかしオチはわからないように