「わかるー」はわかってない人が言う言葉

良かれと思って使っている言葉。
その中に、知らない内に相手の気分を悪くし、関係を壊してしまうNGワードが潜んでいます。
相手の気持ちに無頓着な人は、知らぬ間に相手から嫌われていることがあるのです。

そんな言葉を毎回一話ご紹介する、「気をつけよう!相手を怒らせるNGワード」。
今回は、「わかるー」はわかってない人が言う言葉。

人を怒らせるNGワード

巷でも共感力について、様々に語られるようになって来ました。
ネットなどで情報を得た男の人が、女性の話を聞くとやたらと「わかります」を連発するようになったとか。

それはこんな会話になるようです。

女性「私、地図が読めなくて、その場所に一回で行けたことがないんです」
男性「わかります。僕もそうです」
女性「(ほんとかよ)」

こんな「わかります」に、話し手はしらけてしまうもの。

実は私も似たような経験があります。
野口「本を書くのって、本当に重労働なんです。身を削りながら書いている感じです」
生徒「わかります。私も社内報を書いた時はそんな感じでした」
野口「(社内報と同じかい!)」

わかるって言えば、わかってあげたことになると思い込んでいるようです。
言われた方は、相手が本当にわかってくれているのかどうか、五感で感じ取れるもの。
「わかります」のひと言では、わかってもらえたとは思わないものです。

※ ただし同じ経験、同じ境遇にある人が使う「わかる!」はとても効果的です

共感とは相手の話を我が身で感じたものを返すこと

共感をただ言葉を返すことだと思っている内は、他人と本当に心を通わせることはむずかしいでしょう。

共感するとは、

  • 相手の話を聞いてそれが我が身に起こったこととして想像する
  • 自分ならどう感じるだろうかと想像
  • 感じたことを言葉にする
  • という流れから言葉が生まれることを言います。
    ですからその口から洩れ出る言葉には生の感情があり、本気で感じている臨場感が伝わって来ます。
    だから相手も本気でわかってくれていると思うのです。

    例えば地図が読めない女性の話を聞く時も、
    女性「私、地図が読めなくて、その場所に一回で行けたことがないんです」
    と言われたら、その場面を想像してみます。

    駅を出た。地図にある目印を探す。「あれかな?」。でもここを右?それとも左?
    しばらく歩いてみるけど、道がどんどん細くなって行く。
    その時、どんな気持ちになるか想像してみて下さい。

    するときっとこんな会話になるはずです。

    女性「私、地図が読めなくて、その場所に一回で行けたことがないんです」
    男性「ああ、地図を読むってむずかしいですよね」
    女性「〇〇さんも苦手ですか?」
    男性「そうなんですよ。道がどんどん細くなって行って、心細くなって行きますよね」
    女性「そうそう、そうなんですよ!ちがうなーって思うんですけど、だからと言ってどこへ行けばいいのかわからないんですよね」
    男性「そうなんですよ。でももうもとにも戻れなくて」
    女性「うわー!そういうことしょっちゅうですよ」

    共感力があれば恋をするのも苦労しない

    共感とは共に感じること。
    地図が読めないと、だんだん心細くなって行く。
    こんな気持ちが感じ取れたら、恋をはじめるのにも苦労はないでしょう。

    共に感じてくれるから、相手はあなたに親しみと好意を感じるのです。
    相手の気持ちが「わかる」のなら、もっと具体的な言葉と感じた気持ちを伝える努力が必要です。

    「わかるー」はわかってない人が言う言葉:まとめ

    1. ただ「わかります」と言うだけでは、相手はわかってもらえたとは受け取らない
    2. 共感とは共に感じる力。相手の話を聞いたら、その場面を想像すること
    3. 自分ならそのことをどう感じるか、想像する
    4. そこから感じたものが口から洩れ出る。それが共感