結果が出る!超一流の伝え方

聞く人の心を動かす伝え方がある。
それは言葉のひとつひとつが絵となって聞き手に届く話し方だ。
聞く人は、話を全て映像に変換しながら聞いている。
だから、絵を思い浮かべやすい話をしてくれる人には、つい引き込まれてしまう。

短い言葉で核心を伝える話し方とは

平凡な話し手は次のように話してしまいがちだ。

「民主党は有権者の気持ちをつかむのが本当に下手なので自民党に差をつけられるのです。自民党が老人世代から票を集めているのなら、民主党は四十代より若い世代にターゲットを絞って政策を掲げるべきでしょう」

聞き手が一生懸命に話を聞いてくれるのならこれでもいいが、聞き手と言うものは不熱心なものだ。
初めに全体のイメージが浮かんで来ないと、聞くのに苦痛を感じ始める。

「民主党は有権者の気持ちをつかむのが本当に下手」

このありふれたフレーズに、幾人の人が興味を持つだろうか。
例え政治に関心のある人でも、何度も繰り返し語られた話にしか聞こえず、関心が湧かない。
話にドキドキする感覚がないのだ。
だから、聞き手はあとの話に身が入らない。

説得力あふれる伝え方、ポイントその1

超一流の伝え手は、全体像が分かるフレーズから話を始める。

「民主党が政権を取る手段があります」

こう始めると聞き手も思わず耳を傾けてしまう。
そしてこう続ける。

「それは四十代より若い世代にターゲットを絞った政策を取ることです。
自民党が老人世代から票を取るのなら、
民主党は若い世代から票を集めるのです」

伝える順番を少し変えるだけで、聞き手の食いつきが違うはずだ。
政治に無関心な人でも「民主党が政権を取る」と聞けばドキッとするだろう。

そうなったら大成功。
聞き手は次の言葉をじっと待つはずだ。
もう話に集中して、話し手の世界に引きずり込まれている。

 

人気のテレビドラマは、なぜ人気なのか

これをテレビドラマに置き換えて考えてみよう。
凡庸な出だしのテレビドラマなど、誰が見続けてくれようか。

視聴率の高いテレビドラマは、出だしから視聴者の目を釘付けにする。

例えば、番組が始まると同時に、
主人公が社長の椅子から転げ落ちホームレスになる。
家は六本木ヒルズからダンボールになり、車はBMWからリヤカーに変る。
また、深夜のオフィスに黒装束で忍び込んだ美女が、
場面が変ると官僚として霞ヶ関に出勤して行く。

こんな見せ方をされると、視聴者は先が知りたくてチャンネルを変えらえれない。

話だって同じだ。
この先はどうなるのだ!聞きたい!と思わせてこそ、人を引き付ける話になる。
人気のテレビドラマの如く、聞き手をわかりやすくドキドキさせよう。

説得力あふれる伝え方、ポイントその2

超一流の伝え方、ポイントの二つ目は、
センテンスを短く、間を十分に取りながら伝えること。

全体像が分かるフレーズから話を始めることと合わせて、
センテンスを短く間を十分に取りながら話すことも意識してみよう。
説得力はこれまでの何倍にも高まることを約束する。

例えば先ほどの、民主党政権の話だとこのようになる。

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民主党が政権を取る手段があります。

ターゲットは四十代より若い世代。
この世代に的を絞った政策を取ることです。
自民党は老人世代から票を取っています。
これに対して、民主党は若い世代から票を集めるのです

例えば、少子化問題を解決する方法です。
ひとつはシングルマザーへの手厚い保護。
それから二人目以後の出産に100万円の手当を出す。
これで子だくさんの家が増えます。

問題は財源ですよね。
それも大丈夫。
まずは終末医療費を削ります。
意識がないのにチューブで命をつなぎとめるのをやめるのです。
さらに、シングル税
子供なし税などを創出してはどうでしょうか。
社会全体で子供を育てる仕組みを考えるのです。
すると老人世代の裕福層の票までとれます。
これで自民党と勝負です。
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ワンフレーズが短く、次の話に行くまでに十分間を空ける。
すると聞き手は、言葉を映像に置き換えることが可能になる。
だから話をよく理解できて、その世界にどっぷり浸ることができる。

営業トーク、プレゼン、スピーチ、説明、報告と、伝えるシーンでは必ず役に立つスキルだ。

伝え方の極意はアナウンサーのしゃべりにあらず

「伝える」ということを、聞き手の頭の中に絵を描かせるという明快なスキルに落とし込む。
こんな解説をした人も本もなかったことと思う。
これまで伝えるというスキルはアナウンサーをモデルに考えられて来た。

しかし、スピーチ・プレゼン・営業など、結果を出す必要のある人たち、
しかも人の数倍もの結果を出す人たちは、決してアナウンサーのような伝え方はしていない。

結果を出す人々は、滑舌が少々悪くても説得力がある。
流暢ではなく、ところどころ噛みながら、方言丸出しで話している。
それでいて結果を出す。
伝えるコツは、アナウンサーのしゃべりとは別のところにあったのだ。

「結果が出る!超一流の伝え方」発刊

このスキルを明快に解き明かした一冊が発売された。
伝える極意、説明の秘訣をこれでもかと文章にしたためた。
もう他の話し方本はいらなくなるだろう。

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結果が出る!超一流の伝え方(PHP研究所)
野口敏著
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