おじいちゃん達の幸せな夕暮れ
平日のゴルフ場は
おじいちゃんでいっぱいなのをご存知だろうか。
若い人がお金のかかるゴルフに興味を示さず、
ゴルフ人口は減るばかり。
ましてや平日の昼間に優雅にゴルフができる人など、
そう多くはない。
自然とビジネス社会をリタイアした人々が
多くなるのは当たり前のことかもしれない。
七十代と思しきおじいちゃん達が
4人集まってプレーする姿もよくお見かけする。
が、しかし、私はこのほのぼのとした風景を見ていて、
はたと気がついた。
七十代の男性4人が集まるって、
実は相当むずかしいことじゃなかろうか。
男が七十を過ぎるまで、健康で友人関係を続けるって、
しかも4人で集えるって、
素晴らしいことじゃないの。
会社をリタイアすると、
職場の人間関係は終わってしまうもの。
学生時代の友人が七十過ぎるまで続くことも、
相当むずかしい。
このことは若いうちには気づきにくいだろう。
結婚、出産、転勤、転職・・・と
人生の転機が訪れる度に人付き合いは変化し、
その数を減らしていく。
無二の親友と思っていた人も、
年代を経るごとに人柄に変化が現れ、ケンカもする。
そして互いの収入や社会的な立場の変化で、
付き合いが疎遠になることだって多々ある。
あなたが親友だと思っている人も、
いつかあなたの人生から退場して行くことも
十分あり得ることなのだ。
ましてや、還暦や古希を迎えた男が、
そこから新しい友人を作ることは至難の業。
きっとこのおじいちゃんたちは、職場の仲間か
学生時代からの友人を長く続けていらっしゃるのだろう。
これは本当に難しく幸せなことなのだ。
おそらく、この方々のコミュニケーション能力、
友人を大事に扱う力はかなり高いレベルにあるに違いない。
おじいちゃん達のコミュニケーション力
そういう目で見ると、4人で和気あいあい、
笑顔を絶やさず、冗談を言い合っている。
そして、自分達以外のプレーヤーにも接し方が優しい。
少々ボールを打ち込んでも、
「ごめんなさい」と謝りにいけば
「いいよー、大丈夫」と許してくださる。
後ろの組の私達に「いいお天気で」と声をかけてくださる。
本当に気持ちのよき方が多い。
きっといい人生だったんだろうなー。
その人の晩年を見れば、周りの人々と
どんなコミュニケーションを取ってきたのかが
うかがい知れる。
あなたは七十になった時、どんな人たちに囲まれているだろうか。
あなたの周りにいる人々、
そしてその人々があなたに向ける表情が、
あなたのコミュニケーションの厚みと深みを教えてくれる。
先に声をかける優しさ。
話しかける勇気。
自分をオープンに語るおおらかさ。
相手の話を聞く温かさ。
ミスを許す心の広さ。
与える愛の大きさ。
その気持ちをたくさん持つ人は、きっといい晩年を迎えられる。
あなたは七十歳まであと何年ですか?
「まだ何十年も先」などと言っていても、
今日、豊かなコミュニケーションのない人は
明日も来年も数十年後も、おそらく
今と変らない人間関係であろう。
数十年などあっという間にぶっ飛んで行く。
あなたは七十歳をどんな人たちと迎えるのでしょうか。
それは今日のコミュニケーションで決まるのです。